江井島の史跡(如法寺)

如法寺 (高野山真言宗  密厳山 如法寺)

昔は小高い丘陵地で境内に十数本の老木があって、江井島の沖を通る船の目印になっていました。 通称「森の聖天さん」

聖天堂

 平安時代の大治年中(1126~31)に西海和泉守有利が氏寺として創建。 その後、住吉神社の別当を兼ねる寺として栄えました。 本尊は大日如来、宗派は高野山真言宗です。
 境内には有名な聖天堂が向かって右奥にあります。 四世の寂道真源法師が、江戸時代文化年間(1804~1814)に建立しました。聖天堂には聖天(歓喜天)が祀られ、土地の字名「森」にあるので「森の聖天」として一般に知られています。
 生駒山(大阪府と奈良県の境にある)に聖天を勧請した宝山湛海は、もとこの如法寺にいて聖天を祀っていましたが、のちに生駒へ行ったといわれ、この森の聖天さんの方が元祖といえるのではないでしょうか。
 聖天は、インドで仏を守る神として現れ、数々の魔障を排除するシンボルでした。 日本でも、あらゆる諸魔を退散させ、所願を成就する神として古くから厚く信仰されてきました。 毎年四月に歓喜天祭を催し、多くの参詣者が集います。 聖天堂は、いつも鍵がかけられており拝観できません。 住職だけが拝観できる秘仏です。

ギャラリー

大日如来

 本尊の大日如来は、香煙のけむる本堂で、すずやかな顔をのぞかせて、すわっておられます。 胸にしっかり結ばれた智拳印が、いかにも大日如来らしい威厳に満ちています。
 大日如来は、如来を統一した如来とされるほど、ありがたい仏さまです。 ほかの如来と異なり、宝冠、天衣などをつけた菩薩と同じ姿をされます。 ここの如来も、そのような姿だが表情はかわいらしく、子どものような愛らしい顔です。キ リッと結ばれた小さな口元が、いまにもほころびて言葉がもれてきそうに思われます。
 顔も、体も青黒っぽく、くすんでいます。 青銅造かと見間違います。 住職の話によると、江戸時代に二回の火災にあい、仏さまは無事でしたが煙でくすんだ色になってしまいました。 金箔で仕上げ加工された木彫像であったらしいので、のちに法衣だけが金箔で塗りなおされています。 煙で像全体の色が変わってしまうほどの猛火を、二度も浴びながら、びくともしない大日如来像、ありがたい如来さまなのです。

2013年09月26日スポット